山梨県 / 桃畑の朝を、箱の向こうへ。桃と向き合う二代目の小さな挑戦。山梨の山並みがまだ淡くかすむ朝、杉浦果樹園の杉浦 岳さんは、木の間をゆっくり歩く。葉の裏を見て、枝に触れて、昨日と違うところを探す。家業を継いだ四十代の二代目がいま考えているのは、桃を育てることと、桃を待つ人との関係を育てること。その二つを、どう自分の暮らしの中で続けていけるかだ。掲載イメージ・架空の人物→
長野県 / ぶどう会社の机から、ぶどう棚の下へ。違いを育てる、新しい農家の一日。長野のぶどう棚の下は、外から見るよりも明るい。葉の間から光が落ち、房の表面に小さな影が揺れる。槙野ぶどう園の槙野 美咲さんは三十代。会社員として働いたあと、新しく果樹農業を始めた。シャインマスカットと、昔から親しまれてきた品種を育てながら、食べる人が違いを楽しめる農園を目指している。掲載イメージ・架空の人物→
愛媛県 / 柑橘海を見下ろすみかん山で、次のつくり手を待つ。海の光が、みかん山の葉の間に見える。愛媛の瀬良農園で柑橘を育てる瀬良 正雄さんは六十代。収穫かごを置くと、山の下の道と、上の段に残る木を見比べた。長く続けてきた畑でいま探しているのは、仕事をそのまま引き受ける誰かではない。この土地の果物を、自分の暮らしの中で育てていける次の人だ。掲載イメージ・架空の人物→